さいとうしのぶ/作 144P リーブル
【37のお店が並ぶ「ふれあい商店街」へ、ようこそ!】
動物たちの町にある「ふれあい商店街」。
そこには、なんと!37ものお店が並んでいます。
くまのパンやさん。たぬきのとうふやさん。とらの花屋さん。
やおやさん、ケーキやさんはもちろん、郵便局もくすりやさんも、きっさてんも、レストランもあります。
今日の商店街は、なんだかみんな忙しそうで、うれしそうで、たのしそう。
その理由は、ページをめくっていくうちに、きっとわかってきます。
お店の中をのぞいてみると、品物がぎっしり。
どのお店でも見つかるものや、何度も登場する人物など、探して楽しむ仕掛けがページごとに隠れています。
そして最後には、嬉しい驚きが待っています!
繰り返し出てくる「おかいもの」の言葉には、オリジナルのメロディーも!
読んで、探して、うたって。1冊で何通りにも楽しめる、遊びの宝箱です。
さいとうしのぶさんの絵は、小さな手足と豊かな表情をもった動物たちが主役。
店構えも内装も、お店ごとにまったく違っていて、並べられた品物のひとつひとつまで細かく描き込まれています。
ページを眺めているだけで、気づけば商店街を歩いているような気分になります。
【丈太郎のひとりごと】
37店舗!さいとうしのぶさんは本当に沢山のものを細部まで丁寧に描くのが本当に好きなんだなぁと感心するばかり!
しかも1軒1軒、店構えも品物も違う。作る側の執念が、ページの隅々から伝わってきます。
「くださいな」という言葉、最近どれくらい耳にしているでしょうか。
セルフレジ、ネット通販、キャッシュレス。買い物は、誰とも言葉を交わさなくても済む時代になりました。それは便利で、悪いことではありません。
でも、「これください」と声に出して、「はいよ!」と返してもらう。その短いやりとりは、子どもにとって、自分の外にある小さな社会と初めて出会う場所なのではないか?と僕は思います。
懐古主義的に「商店街」に想いを馳せるつもりはないですが、今の世の中がとてもドライに見えてしまいます。そして、不安も感じます。
この絵本は、その入り口を、とびきり楽しい形で用意してくれました。
買い物は、物を手に入れる行為である前に、人と言葉をかわす行為なんだ。そう気づかせてくれる一冊です。
「くださいな」と言える子どもと、「はいよ!」と笑顔で返せる大人が、これからもずっと世の中にいてくれますように!
まずはメルヘンハウスがそんな店でありたいと、子どもたちとのコミュニケーションをより一層深めて行こうと思うのです。
