【またもやラスタカラーで描かれた長新太の名作!】『たぬきのじどうしゃ』

【またもやラスタカラーで描かれた長新太の名作!】『たぬきのじどうしゃ』

長 新太/作 32P 偕成社 

【繰り返されるパニックの警笛がクセになる!】

たぬきのおじさんが車で走っていると、魚がやってきて「かいぶつが でたのです。たすけてちょうだい。」と言うので、川に行ってみると川の中から大きなカエルの怪物が出現し、たぬきのおじさんは車ごと捕まってしまいます。

たぬきのおじさんはパニック状態になり、必死に車のクラクションを鳴らしたり、お腹を叩いて抵抗します。

「ぽんぽん ぶうぶう ぽんぶうぶう ぽんぶう ぽんぶう ぽんぶうぶう 」

それでもカエルの怪物は、離してくれません。さて、たぬきのおじさんの行く末は?車は一体どうなっちゃうの?

これまた前回紹介した『はんぶんタヌキ』(こぐま社) と同じく、基本的に赤・黄・緑・黒と言う「ラスタカラー(ラスタファリ信仰(アフリカ回帰思想を持つジャマイカの宗教)」で派手に、そしてシンプルながらダイナミックに描かれています。

「ざぁー ざぁー」、「べしゃん、べしゃん」、「げろげろげー」などの擬音語も多様されており、2才ぐらいの子どもから大人まで楽しめます。

【丈太郎のひとりごと】

僕の小3の息子がまだ2〜3才だった頃、息子がとても好きでかなりのヘビーローテションで読んでいました。

毎回「ぽんぽん ぶうぶう ぽんぶうぶう ぽんぶう ぽんぶう ぽんぶうぶう 」は息子と一緒に言うのですが、ある夜この呪文のような言葉が何故だか面白くなり、「ぽんぽん ぶうぶう ぽんぶうぶう ぽんぶう ぽんぶう ぽんぶうぶう 」と唱えれば唱えるほどゲラゲラと笑い、テンションもあがる一方!結局その日は疲れるまで不思議な呪文を唱え終了!

寝る前だと言うのに、息子のハイテンションが収るのに時間がかかり困ったのも良き思い出です。

僕が、子ども向けのおはなし会や、大人向けの講演会でも、この絵本を読むのですが、いつも「エビバディ!トゥギャザー!」と皆んなで「ぽんぽん ぶうぶう ぽんぶうぶう ぽんぶう ぽんぶう ぽんぶうぶう 」と大合唱!

子どもは最初からマックス、大人は最初は恥ずかしいそうにしているけど、徐々にこの呪文に引き込まれていき、気付けば我を忘れたかのように盛り上がっていきます!

そして、この絵本の大きなポイントは最後の終わり方です。「終わり方」と言う表現も違うかもしれません。長新太から読者に委ねられ、そのバトンを受け取った読者は、自らの創造力を駆使してそこから走り出すのです。

終わりなき旅の始まりです。

我が子にはもちろんのこと、保育園や幼稚園、おはなし会などで盛り上がること間違いなし!皆んなで呪文を唱え、長新太からのバトンを受け取りエンドレスな旅を子どもたちと楽しんでください。

僕は、この絵本の読み方に自信があるので「イマイチ読み方がわからない!」と言う方がいらしたら、遠慮なくご相談ください。三輪丈太郎が丁寧に伝授します!

それにしてもラスタカラーが気になるなぁ、、、。

長 新太/作 32P 偕成社 【繰り返されるパニックの警笛がクセになる!】たぬきのおじさんが車で走っていると、魚がやってきて「かいぶつが でたのです。たすけてち…
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