セルジオ・ルッツィア/作 福本友美子/訳 32P 光村教育図書
【自分を信じていれば、必ず夢は叶う!】
アマンディーナは小さな犬ですが、色々なことができます。踊りも踊れば、歌も歌い、お芝居も上手だし、難しい曲芸だって出来るのです。
しかし、アマンディーナには友達が1人もいません。もう恥ずかしがるのをやめようと決意して、舞台に出てみんなに観てもらうことにしました。町の古い使われていない劇場を借りて、自分で直して、ここでみんなに発表するのです。
そして、舞台で着る衣装や、舞台装置、小道具などを全部作りました。全ての準備が終わると招待状を出し、町のあちこちにも宣伝のポスターを貼りました。
舞台に出る前の晩、アマンディーナは満員の客席から賞賛される夢を見ました。いよいよ舞台に出る時間になりどきどきしてきましたが、この日のために一生懸命練習をしてきたのです。さあ、いよいよ幕が開きました!
劇場には誰もいませんでした。アマンディーナは途方にくれて立ち尽くしました。しかし、しばらくして自分の決めたことは全部やろうと舞台を始めたのです。劇場の破れた椅子からゴキブリが出てきて舞台を見てビックリしました。そして、早速友達を劇場へ呼んだのです。
そんなことを知らずにアマンディーナは舞台で一生懸命、自分が練習でやってきたことを演じ、演奏し、歌い、踊り、手品をして、フィナーレはあっと驚く曲芸です。
出し物が全て終わるとアマンディーナは誰もいないはずの客席へ深々とおじきをしました。そしたら、、、
セピア色の写真のような色使いで、細部までしっかりと描かれた絵は哀愁と共に感動に満ち溢れています。
【丈太郎のひとりごと】
『アマンディーナ』は僕のバイブル本の中の1冊です。どんな状況であろうとも自分で決めたことは最後までやり通すこと、自分で劇場を直したり、衣装や小道具を作るD.I.Y精神で自分自身で自分を変えていこうとする姿に感動を覚えます。
一歩踏み出すことはなかなか出来ることではありません。踏み出したとしても途中で挫折してやめてしまうことだってあります。しかし、アマンディーナは自分に負けることなく自分の為に舞台を最後まで演じたのです。
地道にコツコツと積み重ねていれば、必ずしも良いことをもたらします。この絵本は僕にそんなことを教えてくれたのです。
1人でも多くの子どもたちや大人に『アマンディーナ』を是非よんで欲しいと思います。