かべや ふよう/作 32P アリス館
【山は海に行けるのか?】
山のやまぼうは子どもたちと遊んでいます。今日はすごく暑いので、かよちゃん、なおくん、りんちゃんに木陰で休むように言いましたが、みんなは暑いので海へ行ってしまいました。
やまぼうは一人ぼっちで寂しくため息をつきました。
「はぁ〜。もく。ぼくもうみにいけたらなぁ。はぁ〜。もく。はぁ〜あ〜。もく、もく、もく。」
気づくと太陽が見えなくなっていました。みんながやまぼうがため息をついているので変だと思い、理由を聞いてみるとみんなと海で遊びたいとのことです。しかし、やまぼうは山なので動けません。その時、みんなから提案がありました。やまぼうに歩く練習をしたら良いんじゃないかと言うのです。
みんなが歩き方を教えます。それから毎日やまぼうは子どもたちと練習をして、少しずつ立てるようになりましたが、いつまで経っても歩けません。やまぼうは練習をしたくなくなりました。子どもたちがそんなやまぼうを見てガッカリしていなくなってしまいました。
しかし、子どもたちは海から海水やカニをやまぼうに見せてくれて、もうちょっと頑張ってみる気になりました。果たして、やまぼうは海に行けるのでしょうか?
山の木々、海など自然の色がとても綺麗に、そしてダイナミックに描かれています。
【丈太郎のひとりごと】
自分には到底叶わないと思うことでも、それに向かって一生懸命何かをすることは大切なことです。くじけそうになっても、やまぼうには子どもたちという仲間がいます。頑張れやまぼう!海へいけ!