きむら よしお/作 32P 絵本館
【広場にクジラが出現!】
ゴリララくんは市長さんです。市の困ったことやみんなにとって良いことを考えたりする仕事です。
ある日、鹿のシカシさんが市長室に飛び込んできました。
「たいへんです。たいへんです!ひろばにクジラがたっています」
ゴリララ市長さんは広場へ急ぎました。確かに真っ黒な大きなクジラが噴水の上に立っています。ゴリララ市長さんはクジラになんでここに立っているのか聞きましたが、何も答えません。シカシさんが海が嫌になったのか聞きましたが、何も答えません。
ゴリララ市長さんは別に立ってても良いと笑いながら言いましたが、シカシさんは反対です。クレーン車を持ってこようか?倒れると危ないので柵を作ろうか?シカシさんは言いましたが、ゴリララ市長さんはクジラにも考えがあるはずなので待ちましょうと言いました。
シカシさんは怪我人など出たら市長の責任になりますと言いましたが、クジラはそのままでした。やがて雨が降り、風が吹き、燃えるような太陽が出て、木の葉が散って寒くなり、雪も降りました。
「はるですよ、クジラさん」とゴリララ市長さんが声をかけると、、、。
あまり場面展開がないのに面白いのはユーモアたっぷりの絵で描かれているからかもしれません。
【丈太郎のひとりごと】
ゴリララ市長の気の長さ?懐の深さ?なんともいえないユーモアのある絵本です。何が言いたいのかなんて求めるのは野暮なことです。このなんとも言えないナンセンスさを楽しみましょう!