サム・アッシャー/作 吉上 恭太/訳 32P 徳間書店
【雨の日の素敵な楽しみ方】
朝、目が覚めると雨が降っていましたが外へ行きたいのです。しかし、おじいちゃんは家にいるようにと言うけれど、僕は雨の中で遊びたいのです。
雨粒を口で受けたり、水たまりに飛び込んだり、水たまりに映った自分を覗き込んだりしたいのです。しかし、おじいちゃんは雨が止むまで待つように言います。
雨は中々止みません。何度も窓から外を見ますが、まだ降っています。おじいちゃんは手紙を書いていますが、僕は水に浮かぶ町に行ってみたいと想像するのです。お祭りをやっていて、船の上で太鼓を叩いたり、曲芸をしたりします。そんなことを想像していると、おじいちゃんが言いました。
「よーし、でかけよう。いそがないと、ゆうびんやさんが きちゃうからな!」
しかし、雨は止んでいるのでしょうか?ドアを開けて外を見てみると、、、。
クラシカルな軽やかな絵で、雨を楽しむ気持ちを丁寧に描かれた、ファンタジックなワクワクする絵本です。
【丈太郎のひとりごと】
僕は基本的に雨の日は好きではありません。外へ出かけるにも傘がいるし、足元は濡れるし、良いことはありません。しかし、この絵本の少年は雨の中での楽しい遊びを想像して、雨を楽しんでいます。
リアルな雨の楽しみ方から徐々に想像の雨の世界へ移り行く少年の気持ちがとてもピュアで、しかもそれをしっかりと受け止めているおじいちゃんも素敵です。今度雨が降ったら、この絵本に描かれているようなことを想像しようと思います。