麦田あつこ/作 いちろう/絵 32P ブロンズ新社
【おふろの向こう側には何がある?】
「きょうこそ かうぞ。」と男の子が100円玉を握りしめ「ふしぎや」という名のお店に入っていきます。そのお店には様々なお風呂用品が置いてありますが、男の子の目当ては「バスボール」。
「ふしぎや」のおばあさんは、男の子の選んだ「バスボール」を見て、賑やかのを選んだと覗き込み、最後に「たのしい おふろを。」と声をかけました。
男の子は家に帰ると、湯気がほわんと体を包むおふろばに直行しました。まずは体全身を洗い、いよいよ「バスボール」をバスタブに入れると、、、。
「あれれ⁉︎」
おゆにんげんが現れ「さあ いこう」と言われるがまま、男の子は蛇口へぎゅうぎゅうに押し込まれ、目を開けてみるとそこはほわほわと湯気の立つおゆのうみ。
「おゆにんげんの くにへ ようこそ!」
おゆにんげん達が集まってきて男の子の体を揺らし、「おゆにんげんの くに」へどんどん入っていきます。その先に男の子を待っていたのは、、、。
優しい色遣いで素朴に描かれた絵は、輪郭に捉われることなく絵全体が融合するような不思議さがあり、まるで温かい湯船の中にいるような気持ち良さでページを読み進められます。
【丈太郎のひとりごと】
「おふろ」に関する絵本は数あれど、大概はおふろの気持ち良さや「お風呂に入りましょう!」的な教育的なものが多い中、かなり異色な「おふろ絵本」だと思います。
不思議な「バスボール」は実は「おゆにんげんの くに」へのパスポートであり、自分が知らない世界に入っていき、様々な不思議な経験をしていく。まさにニュータイプの「おふろファンタジー絵本」の誕生と言っても過言じゃありません。
普段使用しているバスタブレットをバスタブに入れて、子どもと一緒に「おゆにんげんの くに」へ出かけてみてはいかがでしょう?
きっと、いつもより楽しい「おふろ時間」を、子どもと共有することができることでしょう!そして、時が経てばそれは子どもにとって良き思い出になっていくのだと思います。
こんなことを書いてたら早く家に帰って、息子と一緒にこの絵本を読んで直ぐに「おゆにんげんの くに」へ行きたくなってしまいました!
さあ皆さんもご一緒に!「おゆにんげんの くに」で会いましょう!