高畠じゅん子/作 高畠純/絵 32P 偕成社
【イカがたこあげ。それってどういうこと?】
「いくぞー」と元気よくタコが「たこあげ」しようと走るも一向にたこは上がる気配がありません。
そこへ「いいかぜ、いかすぜー」とイカが走り込んできて、大空に「イカの形をしたたこ」が上がっています。
それを見たタコがイカに向かって、「たこあげするな」と言いますが、イカは「いかあげ」だと言い返します。二人は喧嘩になり、周りにいた動物たちが寄ってきました。
タコは集まってきた動物たちに、「イカの形をしたたこ」を見せて、「たこ」だと思うか聞き、イカは「いか」だと思うか聞きますが、みんなは困ってしまいます。
二人は自分の言い分を絶対に曲げません。それどころか動物たちを巻き込んで、様々な例を出していきます。
「それじゃあ クイズ!とイカが言い出しました。「イカがたべるのはスイカ。じゃあタコがたべたら?」これにタコは「ス、・・・・・・タコ?」と答え、動物たちは納得してしまうのです。
もう、ここからが大変なことに!
カバがもてば「カバン」、タコがもてば「タコン」。トラがあそべば「トランプゲーム」、タコがあそべば「タコンプゲーム」。サイがなげる「サイコロ」、タコがなげる「タココロ」etc…どんどん訳のわからない言葉の応戦がエスカレートしていくばかり。
果たしてこの言葉のこんがらがった様子はどうなっていくのでしょう?
読者も読めば読むほど混乱する、なんとも可笑しな言葉あそび絵本です。
カラフルな色で描かれた背景やモノと、動物たちが躍動感に溢れんばかりに描かれた絵は、読み手を明るい気持ちにしてくれます。
【丈太郎のひとりごと】
皆さんお馴染みの「高畠JJコンビ」による、お正月のプレゼントにピッタリなユーモア絵本です。毎回面白い絵本を作っているコンビですが、その中でもこの訳の分からなさ、くだらなさに脱力する絵本は、僕が今まで見てきたコンビの絵本でも初めてかも!
「高畠JJコンビ、また一段と腕をあげたな!」と、上から目線で申し訳ないですが賛辞を送りたいと思います。
僕はこの絵本を読むと、頭の中がこんがらがってしまい困ってしまうので、一度冷静になってからもう一度読んでみたいと思います。
えっ?いつになったら冷静に読めるかって?そりゃ、お正月に決まってるでしょ!たこあげでもしながら、いや「じょうたろうあげ」でもしながら考えることにしよう!
新たなお正月絵本がここに誕生!