【友達って何だろう?小学生に読んで欲しい本】『ちょっとだけ ともだち』

【友達って何だろう?小学生に読んで欲しい本】『ちょっとだけ ともだち』

なかがわちひろ/作 55P のら書店

【みんな友達がたくさんいるけれども、ぼくは、、、。】

一平くんの妹が保育園に入園します。お母さんは「おともだち 100人 できるわよ〜」なんて言っていますが、一平くんにはそんな無理だと思います。

一平くんの友達は山田ほのかさんだけです。しかし、最近では山田さんとも喋りません。本当にそれで友達なのか?一平くんは疑問に感じます。

そんななか、妹はあっという間に友達を作り、お母さん、お父さん、おばあちゃんも友達が多いのです。しかし、そんな家族の中でおじいちゃんだけは友達にいないようでしたが、ある日、おじいちゃんのアルバムを見ていたら、昔のおじいちゃんが色々な人と一緒に友達と写っている写真を見つけます。

おじいちゃんにも友達がいたことを知り、一平くんは友達作りに焦りを感じます。

ある日のこと、学校に飾ってあった皆んなが書いたカメの絵をジッと見ている早川ヒロくんがいました。そして、お互いカメのマニアックな話で盛り上がり、今度の休みの日に遊ぶことに。

しかし、実際に遊んでみるとカメ以外は趣味が合いません。ヒロくんは一平くんにカメだけの友達でいようと帰ってしまいました。

「ともだちを つくるのって むずかしい。」

そして、一平くんがどうしたら友達が作れるのか相談をしました。そして、おじいちゃんは一平くんに語りかけるのです。

果たして一平くんには友達が出来るのでしょうか?

余計なものを省いたシンプルな絵と、短い文章がメインで書かれていて、細かい描写は絵に合わせて小さな字で書かれているため、とても読みやすい本です。

【丈太郎のひとりごと】

この本は『ぼくは、ういている』(https://shop.meruhenhouse.com/items/86395781)の続編のような本です。

『ぼくは、ういている』では、大勢の中で自分だけ他の人とは違うことに悩み、同じような悩みを持った山田ほのかさんと気持ちを共有しることができました。今回はそんな山田さんにも「本当に友達と言えるのか?」と疑問に思ってしまうようになっています。

僕も小学校に入学するタイミングで、一番最初のメルヘンハウスの近くに引越しをしたので、最初は誰も友達はおらず飼っていたビーグル犬だけが友達でした。しかし、ちょっとずつ話すことが出来る子ができるようになり、僕のお父さんは本屋さんだと話すと、何人かでメルヘンハウスに行きました。

しかし、みんなは「お前のお父さんの本屋は面白くない。」と帰ってしまいました。メルヘンハウスは漫画や雑誌を置かない「子どもの本専門店」です。その時、みんなが求めていたのは『コロコロコミック』や『小学一年生』などといった漫画や雑誌でした。

その晩、メルヘンハウスから帰ってきた父に「『コロコロコミック』とか『小学一年生』をおいてよ〜。」と泣きながら頼んだものでした。あの時の父の複雑そうな困った顔は今でも印象に残っています。

皆さんは我が子に「友達ってなあに?」と言われたら、どう答えますか?好きなものが一緒であり気が合う人だけが友達なのでしょうか?僕は趣味や思考が似ていることだけが友達とは思いません。

この本では一平くんのキーマンになる人物は「おじいちゃん」です。そのおじいちゃんの話に一平くんが耳を傾けることで、新しい友達の世界観が広がります。

小学校に入って中々友達ができなく寂しい想いを抱いている子どもたちにオススメの本です。我が子が友達のことで悩んでいたら、一緒に読んでみることをオススメします。

なかがわちひろ/作 55P のら書店【みんな友達がたくさんいるけれども、ぼくは、、、。】一平くんの妹が保育園に入園します。お母さんは「おともだち 100人 でき…
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