樺島ざくろ/作 奥野哉子/絵 32P BL出版
【困ったときに頼りになるのは、、、】
少年は、もう帰らなくてはいけない夕方5時半になって自転車の鍵がないことに気づきました。そして、家の近所であればまだ良かったのですが、その日は遠くの公園で遊んでいたのです。
今日にかぎって鍵をなくし、友達は先に帰り、ケータイを忘れ、知らない遠くの公園にる、最悪な事態です。仕方ないのでサドルをちょっと持ち上げて自転車を運びながら帰ることにしました。
しかし、道もよくわかりません。困り果てたその時に、学校のクラスメイトに会いました。しかし、そのクラスメイトは少年がちょっと苦手に思っていた子です。訳を話すとその子は一緒に自転車を動かすのを手伝ってくれました。
2人で自転車を運びながら色々と話をしてみると、苦手だと勝手に思っていた少年の気持ちが変わっていきます。
少年たちの交流が瑞々しく爽やかに描かれており「友達」の大切さを、そっと教えてくれます。
【丈太郎のひとりごと】
僕は最近、お店が終わってドアを閉めようとして鍵を鍵口にさした所、全く回らずに何回やっても、うんともすんとも動かずに困ってしまいました。
その日に限って予定が入っていたので、とても急いでいました。鍵はなんとか閉めることができたのですが「なんでこんな急いでいる日に限って」とトラブルが起こるタイミングを悔やみました。
この絵本で描かれている少年もとても悔やんだことと思います。しかし、思いがけもよらない助けの手が伸びたのです。
苦手だと勝手に思い込んでいる人でも、話してみたりすると実際は気が合ったり、良い人だったりします。人のイメージを勝手に創り上げてしまうのはもったいないことですね。
恥ずかしかったりすることもあるかも知れませんが、出来るだけ色々な人とコミュニケーションを取ると、また新たな友人が出来たりして、それはとても素晴らしいことなんだと思います。