松田 奈那子/作 32P 風濤社(らいおんbooks)
【こびんの行き先は?】
小瓶は大切な物を預かってゆらゆら揺れる波に乗っていきます。まずは海辺の町に漂着しました。お兄ちゃんと弟がこびんを見つけて蓋を開けると歌声が聞こえて、それから手紙を広げました。
そして、二人は返事を書いてこびんを海に向かって力一杯投げました。海に流れるこびんは次に賑やかな浜辺につきました。こびんを男の子が見つけて楽しそうな笑い声が転がり出ました。
そして、家に持ち帰りある日学校から帰ってきた男の子は張り切って返事を書き、拾った時とは違う海にこびんを流しました。
それからこびんは綺麗な花咲く海岸や、かわいた風の浜辺、川辺の小さな村などにたどり着き、また海へと戻っていきます。時が経ちこびんは懐かしく感じる浜辺に漂着した。そこは、、、。
ページの絵が一枚ずつの絵画のようにとても美しく、こびんの心情が優しく丁寧に描かれています。
【丈太郎のひとりごと】
最初にこの絵本に出合った時「なんて美しい絵本なんだろう」と思いました。そして、ストーリーの流れがとても静かで穏やかで、でも力強さも感じました。何が起こる訳でもない。しかし、日常ではない奇跡のようなことが、この絵本には描かれています。
そっとゆっくりと静かにページを開いて読み進めていけるような、とても穏やかな絵本です。