石井睦美/作 布川愛子/絵 32P ブロンズ新社
【ときめき、かわいさがたくさん!】
春になりウサギのさきちゃんは、森へと向かいます。行き先は仕立て屋さんのミコさんのお店。
春になったので、ワンピースが欲しくなったのです。ミコさんはさきちゃんからどんなワンピースが良いか聞きます。
春の花ってどんな花?
春の色はどんな色?
春はどんな音?
ポケット、ボタン、飾り付けをさきちゃんが選び、ミコさんがワンピース作りに取り掛かります。
さあ、どんな素敵なワンピースが出来上がるのでしょう?
細部に至るまで細かく描かれ、全体的に春をイメージしたような明るい色使いが印象的です。
【丈太郎のひとりごと】
この絵本を読んで、子どもたちがウキウキ、ワクワクする姿が想像できます。
服に興味を持ち出した子どもたちにオススメの絵本です。
そして、さきちゃんとミコさんのやり取りは、メルヘンハウスにやってくる子どもたちと僕のやり取りによく似ています。
子どもたちの好きなものや最近興味があることを聞いたりしながら、子どもたちに合った絵本を僕がセレクトしている光景と重なります。
だからか、この絵本を読むと、僕はさきちゃんとミコさんのやり取りに共感を覚えるのです。
絵がとても鮮やかで瑞々しく鮮やかで、春の心地良さをふんわり爽やかに描かれているため、読んでいるとなんだかワクワクして緑の多い公園に出かけたくなります。
そして、ワンピースと言えば『わたしのワンピース』(こぐま社)が代表的なロングセラーの絵本ですが、『わたしのワンピース』が雰囲気を重視したファンタスティックなシンプルな絵本であるとすれば、この絵本は「春とはどんな季節?」と具体的に考えながら、ワンピースが作られていく工程が楽しく描かれています。
そのため、服の色々なパーツなどが描かれたページでは、子どもたちはどれが良いか迷ってしまい、なかなか先のページに進めないかも知れません。
しかし、それも春のゆったりとした時間として楽しむのも良いかも知れませんね!
この絵本は春夏秋冬のシリーズ絵本なので、子どもたちには季節ごとにさきちゃんとミコさんのやり取りを楽しんで欲しいと思います!
もちろん大人、特に女性はあらゆるところに散りばめられたディテールに、トキメキこと間違いないでしょう!