せな けいこ/作 32P ポプラ社
【独特なユーモアの世界!】
うさこは食べるのが大好きです。山へ草摘みに行ったら、こねこくんがお弁当を食べていました。おかずはてんぷらです。うさこは味見をさせてもらい、あんまり美味しいので作り方をこねこくんに聞いたら、お母さんの料理の本を借りてきてくれました。
うさこは早速材料を買い集めて、準備を始めます。さあ熱い油でどんどん揚げることにしました。揚げたてのてんぷらを食べてうさこは上機嫌です。てんぷらを揚げる匂いはずーっと流れて山のおばけのところまで匂ってきました。
おばけは早速うさこの家に入り込み、うさこに食べられないようにちょろちょろ飛び回ってつまみ食いをしました。ところが、おばけが油で滑ってころもの中にぽちゃーん!
さて、おばけはどうなってしまうのでしょうか?
切り絵で描かれた絵は、クラシカルな安定感とユーモア感が混じり合い、いい味を出しています。
【丈太郎のひとりごと】
1976年に発刊されたこの絵本ですが、40年以上経っても色褪せることなく子どもたちから多大な支持を受けています。大人は懐かしく思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
作者はこの他の作品でもユーモアやちょっとしたイタズラ心のようなものが表現されていて、いつの時代も古さを感じません。